クロサギ第5巻の特許ネタの瑕疵

クロサギ5巻、「ODA還流資金詐欺」のエピソードで、大企業をカモにしている白石が、標的の企業に侵害をさせる目的で海外特許技術をわざと実施させようとするというネタがあるのを発見した。
引用すると、

”海外ではすでに特許が取られているが、日本では全く知られていない技術”それがあのゴミ処理炉。
これを「新企画」として立ち上げて、杉森鉄鋼に買い取らせ、契約金を取った上で特許違反だということを公にして杉森鉄鋼に大打撃を与えてやる・・・

ということらしいのだが、残念それは出来ません。
当該ゴミ処理炉の実施は中部地方つまり国内で行われることが作中で明かされている。それに対して、海外で取得されている特許の効力はこれには及びませんよ。ただし、その特許が日本でも取得されている場合は除きますけど、そういう記述はないなあ。
そもそも、社員たちも「特許まちがいなしの技術だ」という認識をもっているのだから、当然出願を考えているだろうし、それなりの企業のようだから調査も行えるだろう。それで、「特許間違いなし」と思われるようなコア技術情報が発見されないというのはおかしいだろう?というのがこのネタの瑕疵です。
クロサギはこういう細かいところの作りこみがなんだか甘いよなあとか思ったりするんですけどどうでしょう、厳しすぎますでしょうか。

クロサギ 5 (ヤングサンデーコミックス)

クロサギ 5 (ヤングサンデーコミックス)